ノンノンからの手紙

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するするっと滑らかに歩いてきてくれて、頭ですりすり、動きがしなやか、落ち着き、安定(魚の形の、中が綿のような細長いおもちゃ、ぴらぴらする羽の付いた猫じゃらしのようなおもちゃ肩越しに抱っこされて満足そうな様子、くっついていられるのが好き)

お話させてくれますか?

うん、そのために来ているもの。

ありがとう。
ノンノンさんから、〇〇ちゃん(飼い主の呼び名)に伝えたいことがあったら、なんでも聞きたいんですって。教えてもらえますか?

(〇〇ちゃんが)じ~っと私の顔を覗き込んでくるから、私もじーっと見返すの。

〇〇 ちゃんは、 〇〇 ちゃんが私(ノンノン)のことを見ていたんだって思うかもしれないけど、私の目は、そのまま 〇〇 ちゃんの目。
〇〇 ちゃんが私をじっと見ているときは、私は 〇〇 ちゃんになり代わって、 〇〇 ちゃんのことを見ていたの。
ええとね、つまり、 〇〇 ちゃんは、私を見ながら、私を通して、自分を見つめる作業をしていたってことなの。

気づいてなかったかもしれないけど、私はその時間を贈っていたんだよ。
私を見ると、心が乱れることもあったけど、不思議と何も感じずに、ただ見てる、っていう時間があったでしょう?
私といるときは、 〇〇 ちゃんは無防備で、そのまんまで、さらけ出せた。

私にはね、色は無いの。
すべてを使って、 〇〇 ちゃんを映し出していたんだよ。
離れられないつながり。
ぴったり。これまでも、これからも。

( 〇〇 ちゃんが帰ってくるのを窓から見たかった。ちょっと高くなっているチェストのようなところに乗っている。玄関にお迎えに来て、一緒に廊下を歩く姿)

「私、大丈夫かな、いいのかな、これで」って、 〇〇 ちゃんからよく聞こえてきたよ。

辛い顔で私を見て、気軽に私に触らなくなった時があって、それは悲しかった。

飼い主からノンノンへの伝言:

「ノン、今はどこかで楽しくやっていますか?
わたしはノンちゃんに対して、本当に飼い主失格なことばかりでごめんね。
いつもお留守番ばかりさせていたし、ミニラとグーとの生活も辛かったよね。


長い闘病生活も辛かったよね。
痛みを代わってあげたかったのに少しも代わってあげられなくて、
ノンが辛い時にもそばにいてあげられなくて、ごめんね。


最後の日、〇〇ちゃんの帰りを待っていてくれて、ありがとうね。


〇〇ちゃんが今、ネコらと暮らしていられるのも、他のネコらも幸せになってほしくてそういう仕事をしているのも、全てノンちゃんのお陰。


今後もたくさんのネコらと関わっていくと思うけど、ノンは、〇〇ちゃんにとっていつまでもナンバーワンです。

だいぶ前に一度、寝ているときに会いにきてくれたの、すぐ分かったよ。

また、会いにきてね。

肉体が生まれ変わっても、いつかどこかでノンと出会いたいなと、いつも心の中で願っています。」

(わーい!うれしい!というはじけた感じはなく、ノンノンさんの足先からどんどん、細胞一つ一つが振動して全身に広がっていくように、静かな満ち足りた想いが伝って、ひたひたになる。しばらくその心地よさを味わっていたいとでもいうように、沈黙の時間が流れました。)

そうやって思ってくれていたんだ、あぁ、良かった… 
すとんと落ちるような深い安堵と、〇〇ちゃんの気持ちを、断片ではなくて、ちゃんと聞けたうれしさ。

お互い思いが(強く)あったけど、ちゃんと伝えあっていなかったところがあるね。
私は、最後まで一人の人に寄り添う、という経験をするために来ていたの。
だからね、何があっても、それが良くないこととも思わなかったし、そんなものなんだろうって思っていたよ。

ごめんね、ごめんねって言ってくれるけど、15年よ?!?
いやだったら、一緒にいるわけないじゃない?? でしょう??
それにね、痛みって代わってあげられるものじゃない。
私が知っているのは、 〇〇 ちゃんのほうがもっと痛かったってことなの。
代わってあげられなかったのは私のほう。
私のほうこそ、受け持ちきれなくて・・・

でもね、そのことをごめんなさいって、言いたくない。
だって、ごめんねっていうのは、本当はもっとできるのを知っていて、わざと力を出さないで楽をしたときにいうことだと思うから。(できないことは、謝ることはないの)
のんちゃんも精いっぱい、〇〇ちゃんも精いっぱい。そうだったよね。

後から分かることは、その時は分からないこと。
だからね、あの時いっぱいいっぱいだったなら、それでいいの。(たんたんとしている)
今はね、わたし、ほ~っとしているの。
私にとっては終わったことだから。区切りがついている。

〇〇 ちゃん。
〇〇ちゃんの泣きたかった分の涙は、私が(逝くとき)できるだけ全部引き受けたんだよ。
最後に私にできるのはそれくらいだった。
もういい!ってほど泣いたでしょう。それで終了!ね!

悲しいのはもういいよね。卒業。
こっちに来てそう思ったの。
これからの性格だって選べるんだよ。
私のことキョロキョロして探したりしなくていいよ。
そういう時は見つからないし、どっちにしたって会えるから。
近いところにいるようにするから。

〇〇 ちゃんは私にとってかけがえのない運命の人。
一緒にいることが宝だったよ。
どんなに短い出会いでも、(時間の短さを嘆くのではなく)その時その時の時間を大切にね。
ねこってね、ぜーんぶ見てるんだから。

それとね、 〇〇 ちゃんに知っておいてもらいたいことがある。
( 〇〇 ちゃんが世話をして)ねこに幸せになってもらう、のではないの。
〇〇 ちゃんが幸せになれることを知っているから、ねこの方から近寄っていくんだって。

私もしずかに、いつまでも寄り添うよ。
ね?わかるでしょう?なんかもう、何も言わなくて、ほ~っとそこにいるだけでいいって。

〇〇 ちゃんを感じながら、こんなに穏やかで、落ち着いていられるのが、今の私。
ありがとう。もう苦しくなんてないからね。

〇〇 ちゃんに、私のこの話を聞く余裕ができたことが何よりうれしい。
本当に、ほっとしています。

(写真の表情がふっとゆるんで、笑ってくれました!)

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