■愛しいペットを亡くした時、どんな供養をしたいですか?
ペットの供養方法はそう多くありません。
数十年前までは、お庭などに土葬するのが一般的だったかと思いますが、ペットを家族の一員として大切にする人が増え、葬儀や供養方法も人のそれと同じような習わしになりました。
ペット葬儀場で火葬した後は、お寺に納骨・埋葬するか、お骨を自宅に持ち帰って埋葬・手元供養するのが一般的ですが、宗教観が薄くなったりお庭の無い住宅が増えるという時代変化の中で、特に首都圏では手元供養する方が多いのではないでしょうか。
わたし自身の話をしますと、2013年約一年の間に愛猫を4匹天国に見送りました。
そばに居たいとの思いからお骨は全て自宅に持ち帰り、気持ちが落ち着くまでは骨壷を抱えて一緒に寝たりしたものです。
部屋に4つ並んだ骨壷を見て、悲しみでいっぱいにならないようなデザインで、インテリアに馴染むような骨壷(覆い)は無いものかとの思いから、ウチの子たちのために手作りのカバーを作りました。
そして、それがきっかけで「ふわもこ骨壷カバー」を販売するようになり、また、長年骨壷で保管していると、カビ生えたり水が溜まり液状化してしまうと知り、大切なお骨を湿気やカビから守る「ペットの手元供養 遺骨にカビが生えない骨壷」も作り始めました。 ショッピングサイト「ethicolorful」
それらの販売を通して、飼い主さまにメールやワークショップでお話を伺うことが多いのですが、供養の仕方については、皆さんご自身が納得のいく方法を選んでいらっしゃいます。
気持ちが落ち着くまではそばで手元供養し、いずれお庭に埋葬しようと考えている方。 一周忌まではお寺に納骨し、その後自宅で手元供養している方。 埋葬しているけれど分骨して一部手元に持っている方。
私はといえば、現在は手元供養をしていますが、お骨を土に返すことが昔からの習わしだったり、魂が生まれ変わらないとか聞いたことがあったりで、いずれ土に返したいとの気持ちがあるのですがマンション住まいなのでムリ・・・ そんな時、高校生が保健所で亡くなった犬猫のお骨から植物を育てている「いのちの花」プロジェクトを知り、お骨が肥料になるのであれば鉢植えで何か育てたいなと考えるようになりました。
■自宅でお花を育てるお墓
お花が育てられるペットのお墓「OHANA」というサービスがあります。
お父様の死をきっかけに柩のデザインをされている白鳥哲也さんが2015年に新たに立ち上げた、「これからの死の、新しい形をご提案する会社」 MeMentomori(メメントモリ)にてスタートするペットのプランター葬サービス「OHANA」は、現在クラウドファンディング「CAMPFIRE」に掲載されています。
お骨を肥料にして自身で植物を育てるには、いくつか悩ましい問題があります。
せっかく育てたのに枯れてしまっては悲しい・・・、何を育てるのか慎重に選びたい・・・、お骨が入る大切なプランターは丈夫なものを選びたい、そもそも肥料にするには粉骨する必要がある・・・、などです。
「OHANA」では、プランター・球根・土・粉骨がセットになっていて、育てるお花のアドバイスから、育てている間のサポートもガーデニングのプロから受けることができます。 また、ペットを亡くした同じ飼い主さん同士でお花の成長日記を共有したりグリーフケア(死別の悲しみを癒すこと)について相談できるコミュニティ(Facebookページ)もあり、新たな供養方法の一つとなりそうです。

■一人ひとりに合った供養方法
わたしは、自分と同じように手元供養している方の選択肢を増やしたくて、骨壷やカバーを作っていますが、今回は、死後の選択肢を増やす「OHANA」サービスのアドバイザーとして参加させてもらっています。
ペットロスで深い悲しみの中にいる方、土に返さないことに後ろめたさがあるまま手元供養している方、天国に見送ってから月日が経ち頻繁に思い出さなくなったことが辛い方、いろんな思いの方がいらっしゃいます。
供養方法が一つ増えることで、飼い主さんが納得した気持ちで日々天国のペットちゃんに向き合え、ペットちゃんもそんな飼い主さんを天国から見て喜んでくれる・・・そんな方が一人でも増えたら、とても嬉しく思います。